……15年前の、争乱の直前。[言いつつ、見やるのは、手にした白鞘の脇差──『白露』] 親父がこれを俺に渡して、オクティを護れと言った。 結果がどっちに転んでも、あいつは多くを失う。 だから、俺は離れるな、と。 命の恩を命を持って返すために、あいつに添えと。[それは、今まで誰にも──友にすら伝えていない、過去の一幕]