[ 彼がもし、『ガルー』を用いたワクチンの可能性を
更に説明しようとするのならにこやかに聞いてから
話が終えられれば、それから直ぐに。
傍から見れば酔っているように彼の首元へ
自然な動作で手を回して、避けられないうちにひたり。
柔い皮膚に鋭い爪を伝わせて、笑顔を浮かべたままに言う。 ]
でもね――とても残念なことに
僕は君は勿論、誰のことも信用していないんだ。
君が好き勝手動く分には構わないがもし邪魔をしたら―――、
[ 言葉を区切り、彼の薄緑の瞳を
獣じみた金色の瞳が覗き込んで ]
…………殺すよ。
[ 睦言のように囁いたら、 ]
[ 沈黙して彼の反応を待った。* ]