―回想・精霊節まで、彼たちと彼女たち-U― [廊下を歩いているとミリアムと擦れ違う。お日様のいろの柔らかそうな癖っ毛が、弾む足取りにふわりと揺れている。人懐っこい笑顔と屈託のなさそうな人柄が相俟ってか初対面時に、ふと『――あの髪に触ってみたい、わしゃわしゃと掻き回してみたい』などと思ってしまったせいで。彼女と顔を合わせると、つい黄金色の髪へ視線を送ってしまうのだ]