―――…ソレは父親ではない。[辛うじて出た言葉は、それだけ。あとは、ゲオルグの決断に従った。ここで捕まったまま、死んだりするわけにはいかない。死ぬぐらいなら、一時でもアーズガルドの人間の手を借りるし、その後のことは“その時”が来てから考える。]Tak(ありがとう)、カレル。[たった一言、早口に離れる前に言った。赤みのある金髪に、翠緑の瞳。太陽のようなあの髪色が、今も脳裏に焼き付いている。]