― 街中・広場 ―あ、いや。讃美歌が優しくないわけではないんだよ?その…、ただちょっと畏まっているというだけ、で……[天に召されてしまいそうとまで言われたら。年老いた神官長の面影がふと過って、罪悪感に慌ててそんな言い訳をした。けれど目の前にいるのは彼じゃなく、ローレルだったから。笑顔に笑顔を合わせるようにして、くすくすと笑う。その密やかな笑い声の中に、胸に過った一抹の寂しさを溶かし込むよにして。]