[使者として赴いたシルワの帰還と、スルジエ情勢の把握。
二つの条件が整った所で、ウェントゥスの族長イムベルはようやく腰を上げる事となる。
脅威となりつつあったスルジエの領主が命を落とした事と、それによる混乱を王府軍が鎮めている、という事。>>144
情勢も相まって、山岳に手出しをする者はなかろう、という見立てから、族長は特に優れた腕を持つ射手と、偵察や奇襲に長けた鳥使いなど、合わせて30名ほどを、先だって解放軍へと参加させる。
絶対数は少ない、けれど。
色鮮やかな古の民の装い──それも、長く使われる事のなかった羽飾りをあしらった戦装束は、他者の目を引くもの。
それは、古き民もまた新しき流れを望んでいる、という事の、何よりも端的な主張となるだろう。*]