[昔、“あの人”から聴いたゲオルグの話。人狼だとか、元奴隷だとかは勿論、知りえなかったけれど。大体の質問には答えてくれたから。例えば、養子だということとか、昔は虫も殺せない泣き虫の少年だったとか。赤茶の髪と翡翠色の瞳の息子と暮らして、何年くらいになるとか。瞳をキラキラさせて興味深々に尋ねる子どもの好奇心からの問いだから…と、つい“あの人”も口が滑ったのだろうと思う>>46]