[ グルトップ号の船医は、変わり者だった。>>0:451
少なくとも、ナネッテの中では。
船で移植手術をした際は、新米の医者、手伝いレベルであったのに。
今や腕の立つ船医らしいと、……自分で言っていた。
変わり者のその男は、自らが移植した目の状態を危惧してか、ちょくちょくとシルバーメリー号へと乗り込んできていたのだ。
無賃乗船だ!それは胸を張るところではない。
どういった方法か、教えてもらったことはないが。
流石に、べったべたの玉虫色の粘膜に塗れてやってきたときは、問いただしたっけ。
聞けば積み荷に紛れてやってきたらしい、即座に保安部に連絡を入れた。どうしてそんな怪しいものを運んでいるのか! ]
「じゃ最後に、上見て―下見てー
俺見て―……
よし、今回も問題ないな。」
………それ本当に診察出来ているんですか?
[ 呆れたようにいいつつも、未だ視界が闇に覆われたことはなく。
シルバーメリー号にだって船医はいると言っても、自分の患者だからと引かず。
まぁいいか、と任せていたら、ずるずると付き合う羽目になっていた。
そんな最中に、義手の男性の話が出たんだったか。 ]