[何事も無い平穏こそが一番の幸せ、と最初に解いたのは誰だっただろうか。
小さい星の平穏は一瞬にして崩れ去る。
ガルー種の突然変異による凶暴化が遅れて発症。
星の声を聞く者が「数十年の間ににこの星は滅びる」と予言。
外部の人間が持ち込んだウイルスによりパンデミック発生。
再起は不可能、と宇宙連邦からの除名を受ける。
これらは全てたった数十年での出来事。
既に星の滅亡は不可避。
星民達の他星へ脱出が開始されるが、ここで文明レベルの低さが仇となる。
脱出ポッドの絶対数が余りにも少な過ぎたのだ。
既に宇宙連邦から除名されている地。
外部の協力もほぼ見込めない。
結果、脱出に成功した者の数は極めて少数。
優先順位はウイルスに感染していない子供、大人、感染した子供、大人の順。
あくまでこのウイルスとは「外部の人間が持ち込んだもの」であり、既に凶暴化したガルーであれ、ウイルスに感染していなければ優先順位は高いまま。
病に感染しておらず、ガルーの純血種であるソマリの脱出優先順位は上位。
結果、一早く脱出に成功し命拾いをすることに。
この後、星に詠まれなかったもう一つの悲劇――
隕石落下が、トゥランタを襲うこととなる。*]