[――先ほどまで吹雪いていた空は、いつの間にか回復したようだ。
が、こうした土地柄であれば、いつまた吹雪いても可笑しくはないと思えた。
宿に部屋を取るものもいたようだが、ただ、自宅に戻りたいとする意思も理解できないではない。
なので止められはしなかった。何より、その吹雪は推測でしかなく、ここの村人の実体験には遠く及ばないものだったから、判断は彼らの経験に委ねた。]
――……。
[自室そのものがこの宿である。ある意味では他に行く場所もないな、と小さく息をつきながら、村長らしき男の言葉>>227を思い返す。
パメラと話していたことが、まさか本当に現実になるとは思わなかった。
雪解けまでいる、だなどと言ったが、今は胸のうちに言いようもない不安が淀むのを、止められなかった。]