[この村にはいなくても、確かにこの世界の何処かに
俺が殺した相手の死を悼み、俺を憎んでいる者が
いるはずなのだ。
のうのうと怪我をして多少不自由な体になったとて
それが免罪符になるとも思っていない。
人狼ではなくとも、不吉な人の憎悪を背負った俺など
この平和な村にいつまでもいていいはずがない。
どうしても村の一員になりきれない、許せない俺の姿を
見つけた者はいないかもしれない。
ただ、まだ文字の書けぬ頃に無駄にした紙に
真っ赤な血と倒れる人と、唯一立っている戦士の姿を
描いたものがあった事を見つけた者はいるかもしれないが*]