― 地下礼拝堂 ―[戦いを終え、交渉も終えて、城主は地下への階段を下る。傍らには誰があっただろうか。弱弱しい蜜蝋の灯りに照らされて、硬い横顔が見えただろう。足踏み入れた礼拝堂には聖なる気配>>145が残っていたが、犠牲者が並ぶ場所までは届いていないようだった。深い闇の中にいくつか灯りをともし、白い架台に横たえられた少女の姿を浮かび上がらせる。] ユーリエ。[名を、呼んでみる。周囲に気配はあっただろうか。今は他に注意をやることなく、彼女の白い顔を見つめる。]