撃ってこない、か。ありゃあ学習したな。
もっと引き寄せてから撃つ気だろうが──、構わん。
[敵艦隊を狙った砲撃が盛大な水柱を上げる>>291
着弾なし。の報告に、ゲオルグは顎を引いて頷いた。]
向こうを休ませるなよ。
射程が短くなれば命中率が上がるのはこちらも同じだ。
動きの先を予測しろ。
[既に南にはタクマらの艦隊が控えている。
それらを背に艦首を北に、舷側にずらりと砲を並べて撃ち崩す構え。同じく戦艦の足元には砲艦をはじめとする小型の艦が舷を並べて、これは射程に敵艦を収めるのを今や遅しと待ち構えていた。]
『敵艦に砲撃の構え!』
[見張り台から緊迫した声が落ちてくる。
回避せんと、右に舵が切られ、ぐ。と、艦が傾く錯覚。]