― 船内通路 ―[言葉を交わすうち、ジークムントの心に恐怖が巣食い始めたことには、気づけずに。>>304] ……!? ジークムント? 注射器を出して、何を… いきなり何を言っているのだ? 大丈夫か、ドクター…[まさか恐怖からの血液検査という思考には、思い至れずに。正気とは思われないような酷く歪んだ顔と焦点の合わない眼差しで注射器を向けられれば>>304>>305。その異様さに、ぞわりと背筋を悪寒が奔る。自覚なき人狼…彼の問が、脳裏を過る。]