……生憎。 その名前は、現在使われておりません、ってぇ、な![声の主の姿を視界に捉えつつ、言い放つのはそんな言葉。別れた時とはまるで違う口調と、鋭さ帯びた声音は、ベネディクトにはどう見えるか。いずれにしろ、青年が取る行動は、ひとつ。自らの右手を裂き、紅を血石に食ませ] 全ての礎、我が根源に応じよ。 吹き抜ける風、集いて返事よ。 鋭く貫く、力の矢へと![血色の光が舞い散り、生み出されるのは風の力の矢。それは迷いなく、ベネディクトへ向けて、飛んだ。*]