『…………私の在り様を否定なさらぬのであれば、これ以上の言葉は無用でありましょう。 ……開門と承認は致しますが……』 ……わかってる。 今は、それだけで十分だよ。[それだけでも今は十分だし、それ以上を望むのは難しいから。微かに笑みながら告げた言葉に女性はつ、と手を振って。ふわり、巻き起こったのは、真白の光を帯びた風。それは、先に巨狼が放ったものと同じように、騎竜師とその相棒を包んで消えた。*]