― 記録・女神 ―
【該当データは厳重にロックされています。】
【ロックを外しますか?】
【パスコード:*****】
【ロックを解除しています...】
[ワタシは自分の髪が嫌いだった。
深い青をした自分の髪は、あの時の炎にそっくりだった。
自分を見つめていた、あの群青の炎に。
全ての平穏を焼いたあの炎の色に、よく似ている。]
[昔は好きだった。間違いなく。
誇らしかった。何よりも美しいものの象徴。
ワタシたちの誇りの形。]
[王族の髪が青いのは、太陽が沈むときに受け止めるため。
太陽が眠るとき、その安らぎを守り抜くため。
だから、彼らの髪色は、夜のように深い青色をしている。]