[叫ぶ声も聞こえなくなったころ、扉が開いた。細い隙間から無理やり兎が飛び込んでいき、それに続いて部屋へと入る。窓に掛かったカーテンが大きく翻り、月明かりの中に、ふたつの人影が浮かび上がる。] …………。 …。[あ、の形に口を開いて固まって、それから慌てて兎のあとを追った。他人のベッドシーンを覗く趣味など全くないが、兎が暴走したら、たぶん困る。]