[帝国少佐として在ることを覚悟している>>2:153――と言った、あの日の後も。割り切ることの出来ぬ想いを抱えるウルズの様子は、同じ第三艦隊で戦う僚友として、ずっと傍で見てきた。自由の制限された立場で。自由でいろと、無茶を言った。…僚友《とも》が後悔なく、大事なものを選んでくれれば良いと。なぞるように、最期の言の葉がヴィクトリアの唇を借りて繰り返される。澄んだ声は、海を渡る涼風のようで。]