― 現行・第三エリア付近 ―
[ふと、テオドールは人が近づく気配>>295に足を止める。
手は自然と両足のホルスターにしまったエネルギー銃のグリップに触れる。]
――誰だ。
[記憶にあるどの気配とも一致しない。
故に、思わず声を投げていた。
もし、反応して気配の正体が顔を見せるようであれば、右のアールヴァクを抜き取って、構えただろう。完全に反射だから、苦い顔をされるよなら気が付いて銃を下すだろうけれど。
彼女が姿を現して、首筋に刻まれたソレが見えたなら、僅かに口元を歪めただろう。]
[なんと憐れなことだ!
テオドールはその奴隷の証”を嗤ったろう。]
[これが自身の国なら、星の者だったら。
また違った反応をしただろう。もはや、テオドールの中での線引きは滅茶苦茶だ。
ただ、一貫して思っていることがあるとしたら。
かの王国の負の遺産は、過去に葬ってやるべきだと思っているところだろう。*]