―――……大きな豪華客船を造りたいんだ。
世界一周しても平気なくらい、とても、とても大きな。
[>>1:747 だから客船が好きという彼女の言葉には、花のような笑顔で、]
僕も好きだよ、客船。
青い空に浮かぶ、無数の帆。
潮風を目一杯受けて、海を切り裂いて優雅に泳ぐ姿。
――――とても、綺麗なんだ。
[ストンプがまだ今ほど栄えていなかった頃。そのような帆船も作っていたという。
海洋軍需が高まり、ストンプが専ら軍艦を造る場所として栄えた今では、帆船を造ることもなくなってしまったが。]
いつかこの海峡内だけじゃなくってさ。
海を越えて、世界中の海に僕の船が浮かんでいたらさ、凄く素敵じゃないか。
そして僕もその船に乗って、色んな国を眺めたいんだよね。
[人々が立ち働く活気に、その願いは静かに溶けゆく。*]