[と、そこまで欲望のままにぺらぺらとあれこれ話した後は、一息ついて]
玲緒は好きなとこ回っていいよ。
あたしは此処からぐるっと回って全部お参りするから!
因みにこの迷企羅大将の裏側一歩手前にあるのが未将の頞儞羅大将ね。
国宝指定の名称と社伝は微妙に違うんだけど、あたしは社伝準拠で見る事にしてる。
[実は丁度裏側にある波夷羅大将が昭和の補作だったりする。
因みに文化庁の登録では亥将の宮毘羅大将。
双方で一致しているのは四体だけ。
ついでに言うと対応する干支も異説があったりするけど、玲緒に伝えたのは一般的と言われるものに準拠していた。
あたしはお賽銭用の小銭入れ―藍色の市松模様のがま口だ―を玲緒に見せてにっこりと笑った。
一体一体じっくりと眺めるから、結構な時間がかかるだろう。**]