[「名は?」と問われて、少年は答えた。] ベリアン。[老庭師が名誉学長だったとか、中年の薔薇マニアの方は騎士団のお偉いさんだったとか判明するのはその後の話。自分と入れ替わりに学舎を去った少年との縁が現在につながると気づくこともなく、死霊魔導士ベリアンは簡易寝台に横たわって毛布をかぶった。あれ以来、呪歌は毛嫌いして習わず仕舞いであることを付け加えておく。 ── 回想・終わり]