[天使の造形を辿る魔の質量、粘つく泥に犯される彼の両翼。
天を司る為の純白も、今は絡めとられたように重かろう。
翼の付け根に巻き付いて、彼に教えるは糸を引く感覚。
泥に汚されていく無垢な白、指で弄るよりも執拗な愛撫。
まるで、背中に罪を背負う宗教画のよう。>>274]
悦い顔をするね。
恥辱に弱く出来ていることを恥じなくて良い。
天使とは往々にしてそういうものだ、
[ひいては我が身を悦ばせる為、そのように存在する。
言葉の続きを舌の裏の隠し、己の傲慢と彼の純潔の味に酔う。
絡めとられてもがくだけで、彼は斯様に淫靡を増す。>>275]