―王の間迄の道程―[>>287肩を掴まれ、振り返る。真摯な叫びにずきりと胸が痛んだ。特殊な状況が招いた一刻の気の迷いだ、と、彼の想いを否定しても良かったけれど、どうせ彼は納得しないだろう。自分の、妙な所で強情な所は、きっと彼に似た気がする。…――居心地が良いからと、近付き過ぎた自分が悪い。…なんて、後悔しても、既に、遅い]