人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


騎士 ヤコブ

― カレン・騎士公館 ―

[飛びかかってきたイングリッドに胸倉をつかまれても、振り払うことはしなかつた。
ただ、彼女の叫びを眉を寄せて聞く。
世界の終わり。すべての命の終わり。
途方もない大きさの話に、理解が一瞬飛ぶ。
それでも、イングリッドが言う"彼"が、テオドールを指していることはわかった。

彼女がすべて話し終えてから、その手首を握る。]


 たとえそうでも、俺は自分の選択を変えねえよ。
 世界が滅ぶかもしれない。
 そう言って手を止めるのが正しいなら、アランだって、"鍵"だって俺を選んだりしなかったはずだ。

 俺が、選ばれた。
 なら、俺のやり方で、やるべきなんだ。

(306) 2014/04/05(Sat) 22:48:25

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