[向こう側を軽く確かめてくると合図を送ったあと、露天風呂を囲う高い壁を身ひとつでよじ登り、霧が立ち込める外側へ身体を落とす。飛び降りた足が地面についたとき、ぱっと顔を上げれば、下で待ってもらっていた二人がいた。] ………??[確かに自分は向こう側へ降りたはずなのに、飛び降りたら露天風呂の内側だった。一体何がおきたのかと混乱するが、ひとつ確かなのは、どうも一筋縄ではいかないということ。]