―回想:2d 第二エリアの通路―
[ベルガマスコを殺す前だったか、後だったか。
現れたスノウを抱き上げるゲオルグが、
呆気ない幕引きに上機嫌とは知れず>>44。
「お見事」という誉め言葉には、刀の師匠からのそれに
他の状況だったら、とても嬉しかっただろうが。
命を奪うのに、見事も何もないと
胸奥の罪の痛みを噛み潰すように、苦笑して。]
…………!
そりゃあ、私だって、いつまでも、
やせっぽちの ちびすけじゃないぞ?
[“デカくなったなあ”という感想に、一瞬、虚を突かれてから。
そう応える。
開口一番、ドロシーのように“裏切り者”と罵られる覚悟に
密かに怯えていた心が、少しだけ緩んだ。
たしかに昔に比べれば、丈夫にはなった。
心臓が弱かった為に、体格には恵まれず。
相変わらず、やや小柄ではあったが。]