[赤い絨毯を登りきり、赤竜にいざ乗らんとしたとき、不意に女王の足が止まる。
前に進むと決めておいて歩みを止めるような女王ではないのに。]
ラト。
――もう1人連れて行って良いか?
[隣に寄せる片割れにそう一言。
もちろん断られることを想定して聞くような女王ではない。
聞いたのは、人員の確認のようなものだ。
女王である自分、隣にいる運命の片割れ、地上から出征を見送ってくれている人――そしてもう1人、この場に居ない人物。
女王はその1名を連れて行きたい、今度は最後まで傍に居させてやりたい――と伝えた。]