……己が道を、己が力で掴み取る世界は。俺も望んだもの。[元より近接されれば勝ち目などなかったのだ。徐々に押し込まれ、受けたダガーの刃が自らの首に食い込みはじめ紅を刻む。] そういえば……名を聞いてなかったな。[王の作ろうとした世界―――己の望んだ世界を見ることなくここで潰えるのは口惜しい。だが、己の意志で戦場に立ち、戦う相手を選び、己が肌で感じたこの空気は。全ての者が己の運命を切り開こうと全力で立ち向かうそれそのものだ。不思議と、悪い気分じゃない。]