[>>284 国中で話題の2人の王子についての話を振られることは当然だっただろうか。国の組織を監査する立場の彼の意見は聞いてみたかったので丁度いい機会だった。
ただ、私が返す言葉はどこでも同じ。]
うーん…申し訳ないですが、私の立場ではまだどちらとも予想出来ませんね。フェリクス殿下には前線に出るほどの武と体、そして言うなれば彼自身の威風といった所。またウェルシュ殿下には秀でた文と知、そして政治に寄せる関心と彼の持つ気品。どちらも王たる器は持っているでしょう。
[こんなことを言うが、内心はフェリクス殿下が選ばれるだろうと思っている。だが、彼がどう考えているか。そして私の心ではウェルシュ殿下が指名される事を望んでいる手前、あまり口にしたい事ではなかった。
それを口にした時、何故だか運命が定まる気がしたから。]