― 王都陥落数日後/王都 ―
[ローランド、と名乗る男がファルカタを持って杖を振り払えば>>267、それはローランドの意図したとおり容易く振り払われる。]
……やはり、か。
進むべき道はたった一つと言うような者は大体そういう。
[表情は硬いままだが。目線だけが、僅かに憐れむようなものへと変わり。淡々と語る。
杖の先端に、黒いもやのようなものが纏い始める]
……そして最後には命乞いをしながら死んでいくのだ。
……このクレステッド・エヴァネスの手で死ねることを、光栄に思いながら消えるがいい!
[杖の先端に纏うもやが一層大きく黒くなり。
そのまま炸裂していれば、恐らくローランドの命は無かったであろう……その時。
彼は目を見開き、全く別の方向――王城の方向へ目を向ける。]