……竜?
この辺りまで、野生の竜が降りてくるって、あったっけ?
[『蒼氷卿』の加護を受けるこの地では、氷の属を持つ野生の竜は決して少なくない。
それでも、人里近くまで降りてくる事は、稀だ]
まーさか、『御使い』ってワケでもねぇだろーに……。
[例外的に、『蒼氷卿』が託宣を下すために己が眷属を遣わす『御使い』と呼ばれるものが人里に降りる事もあるが。
そうだとしても、こんな場所を飛んでいるのは不自然で]
……だとしたら?
[首を傾げている間に、水色の影は街の向こうに消えて。
傍らの影竜と、顔を見合わせた]