[ 伝令のため、従者は傍を離れ、護衛の兵も他には連れていない、だから、双子が近付くのは、然程難しい事ではなかった筈だ。しかし、すっかりヨセフの異常に気を取られてはいても、間近に迫った殺気には、男の武人としての神経が、意志によらず反応する ]っ![ 左右から振り下ろされる短剣、その切っ先が、ディークの忠告に従って首に巻いていたスカーフに触れたぎりぎりの刹那に、後ろに飛び下がって、避ける ]お前達...!