[照れ隠しのような表情に、複雑な顔をしたけれど、重い空気にはするまいと、口調は概ね常のままで。Nルームへと足を向けようとしたそのとき、頭上から華やかな色の何かが落ちてきた。] ――ハダリー、か…?[口調は彼のものであったように思う。おい! と、投げかけた声に、応えはなかったかもしれないが、天井へと視線を向ければ、キャット・ウォークに、見覚えのある銀色の影が立ち去る後姿がちらりと見えた。]