[向けられる言葉、そのどれに対しても、玉座に座す者は興味を示す事はなく、ただ淡々と繰り広げられる戦いを見つめていたが。
己が分身たる戦乙女たち、その幾体目かが消えた所で、ゆら、と立ち上がった]
「……『混沌』をやどすもの」
「……滅さなくては]
[静かな宣と共に、手にした槍に光が灯る。
穂先に集まるそれは、強大な力を秘めるもの。
それが解き放たれる事でどうなるか、は──恐らく、容易く想像できるだろう。
そして、その光が、『始原の秩序』の力の大半を込めたものであり、それを打ち砕けば彼の存在の力を大きく削いで放逐する事もできるのでは、と。
気づく事もまた、そうは難しくない……かもしれない。
いずれにしろ、残る戦乙女たちは、己が本尊が一撃放つのを邪魔させぬため、これまで以上の攻勢を仕掛けてくるのだが。*]