[乗客というその人の近くまで駆け寄ってきて立ち止まる。>>297
見覚えはない顔のようだ。
乗客の滞在する第二エリア担当である自分が見たことがない顔――ということが、ほんの一瞬頭の隅をちり、と掠めるが、
まずは皆を避難させねばという意識が先に立ち、警備のひとかとの問いに、頷く。]
ああ、警備担当だよ。
避難艇の調子が悪い――…?
数が足りない、じゃなくってかい?
[避難艇の数は抑々、乗客全員を賄えるようになっているはずであろうが、
この混乱のさなか、発着の状況によっては皆が乗り切れぬうちにすべて出発してしまうこともあったかもしれないと、そのように考えていたのだけれど。]
どういう状況だそれ……
ああいや、ドロイドも暴走してあのざまだ、
まさか避難艇も?
あの、調子悪いってどんな感じに――?
[自分の眼でも確かめてみるつもりではあるが、正真正銘の機械音痴、分かるとは思えない。
まずはこの人が何か見ていたり話しを聞いていたりはしないかと]*