そうなのよ。先生にはお世話になっててね。
……ええと、出会ってどのくらいかしらね?
結構長いと思うわ。
ワクチン開発のお話とかを伺ってるのよ。
船に乗るなら連絡してくれればお出迎えに行ったのに……。
[……嘘は言っていない。
人間の肉体強化が出来るのであれば、ワクチンとしても応用使用可能だ。
つまるところ、"生物兵器"を宿した自分は、よい研究対象でもある訳で、そう短い付き合いではなかったと記憶している。
しかしまぁ……自分にとって先生は出来た人格者であり、信頼はしていたけれど。]
先生は無事避難できたのかしら……。
なんにせよ、先生の代わりに
君を案内させていただこうかしら?
私、カサンドラ。君は?
[にっこり笑って、彼の腰になるべく負担にならないよう手を貸そうとしながら、自己紹介へと移行する。
逃げ遅れた人の名前と仕事くらいは聞いておかないとね。
そして、他愛もない話をしつつ……メイン・サロンに向かっただろう。*]