― 双子が育った日 ―
[ソマリアードはすくすくと育つ。
当然といえば当然だが、騎士になりたいといいだしては、年のよった子供たちと話をしたり勉強したり。
厳しくもあれど、実は薔薇をめでるのが趣味の心優しい父と、惜しみない愛を注いでくれる母。
傍には同じ年の友もいた。]
[ソマリアランは、人知れず育つ。
大森林の中で。
物心ついた頃より、森がそこにあった。森の妖精の里への出入りは基本的に許されていなかった。師に与えられた小さな庵が自分の家。帰れるようになるのは、ちゃんと1つだけある魔術が使えるようになるまでと言い聞かされた。
何かをしなければ死んでしまう。何をすれば自分の身を守れるのか。
眠りにつく時以外は神経を張りつめて生きていた]