[少年にも扱いやすいよう、マリエッタの長剣ほどの長さは持たないそれは、元が水であることを示すように、刃の向こう側の景色を写しながらゆらゆら揺れていた]――いけえっ![駆けるマリエッタへと短剣を向け、マリエッタが振るう剣の刃に、水の刃を当てようと振り抜いた。動きに迷いはないがいかんせん、相手に比べれば遅い。それでも、刃がぶつかれば。水の刃はまとわりつくような水流となって、マリエッタの手から剣を落としにかかる]