[チャールズはその砦内、南門との間の、つまり最も戦闘が激しくなる中央に位置していた。
矢は次第に間遠になり始めている。
直接敵の攻撃を受けつつあるという所為もあるだろう。
混戦になるにつれ、誤射を恐れて矢が放ちにくくなる事情もあろう。
分かっていたことだ。
歩兵の残り、その一部は、彼ら弓兵や工兵らを敵の追撃から守り逃がすために分けてある。]
騎兵か…、…ふんッ!
[馬蹄の音が響く。凛とした青年の声が響く>>251
勢いにあわせ、馬上から突き出された剣を槍の柄で受け、ぐるりと回転させて逆に剣に絡めた。バランスを崩した騎兵が、狼狽の声と共に落馬する。]