[オットーとヤコブとヨアヒムと、幼い頃から三人で括られる事が多かったけれど、ヨアヒムにとっては『ヤコブとオットー、そして自分』だった。
弟?みそっかす?
「あの二人は、あんたの事甘やかしすぎなのよ。」
自分と同じ月色の瞳で覗き込む姉の顔を思い出す。
栗色の長い髪を揺らし、頬を膨らませる。
「いつまで守ってもらうつもり?」
守ってもらおうと思ってる訳じゃない。
ただ、対等でありたいと背伸びすればする程、逆効果だった。
いつまで経っても変わらない、と笑われて。
可愛がられるのはくすぐったいけど、嬉しい。
でも、やっぱり誰かを守れる位になりたいよね。男だもの。
紅茶のカップを揺らしながら、その小さな波を眺めた**]