[魔族の手から翼が解放されたが、もう逃げ出そうという気力も体力も残っておらず、四肢が拘束され力なくうなだれる。
仰向けにされると、シーツと翼が擦れ、鋭い痛みが走り顔を歪めた…が、悲鳴を堪え、目を硬く閉じて意識外へ彼を追いだそうとし続ける。]
…っん、ぐ、…げほっ、がぼっ…
[許さないとばかりに水が口に注ぎこまれた。唇を閉じると鼻へと注がれてしまい気管へ入り込み激しく咳き込んだが与えられた水の半分以上摂取してしまった。
この魔族のことだ、親切心から水を飲ませたということは絶対に有り得ないと勘付きつつ。]