― 第2エリア・通路→レストラン ―
[脳内に展開されていた船内案内図を閉じて
レストラン街へと繋がる通路を兎の歩幅に合わせて歩く。
ぺちぺちとコミカルな擬音が聞こえてきそうな歩みで
目の前を進むコンパニオンガイドシステム。
セーラー帽を被った兎の姿をしたホログラフは、
本物の兎と見間違うようなリアリティと毛並みを持っていた。]
(触れたらやはり、もふもふするのだろうか…)
[きっと感触を楽しめるとしても、
それはナノ送受信機を介して得られる擬似体験なのだろう。
けれども、ふりふりと揺れる尻尾を見ているうちに
「少しぐらいなら」と、思う気持ちが大きくなっていく。]