― 王都陥落の数日後・王都 ―
[揺らぎはふたつあったものの、竜は惹かれるように強い光を放つ方へと向かった。
王城からはいくらか外れた場所で、まだ涙に濡れた顔をしていただろう少年の前に竜は降り立った。
突然空から現れた巨大な竜の姿に、さしものオークやゴブリンらも驚いたか。
>>273主命により光に刃を向ける物も居たが、その腕で薙ぎ払い、王子の元へはやらなかった。
長い尾を力強くたたきつけ地にヒビを入れ、近づくなと威嚇するように唸り、少しの安全を手に入れてから竜は少年を見た。]
…お前、生きているかい?
[あらゆる意味で、この光はまだ生きている”か。竜は頭上から問いかける。]