息子に全部任せてワシだけ引っ込むというのは、なんとも気が引けるが仕方がないな。
[役目を終える時間。というだけではない。最近では体が重くなり、精彩を欠いている。柱として100年。それは人が過ごすには長すぎた時間だ。おそらく寿命はすぐそこ……柱の役目が終わった時だろう。うすうすとそう感じていた。]
お主は一人ではない。今までもこれからも、な。寂しいと思えるぐらいの父でいれたなら儂も誇らしいが、まだまだいろんな出会いがあるから……
それでも、思い出として一つ、受け取ってくれると嬉しい。お主が一人ではないという証だ。お主がワシの息子だという証だ…
[マッチョには似合わない月をかたどったペンダントを最後にシェットラントへと渡して、昔を思い出すように、少し強く息子を抱きしめた]