[共和国が武に訴えることの現実味には口を挟まず、自身の保全と便宜を約束されれば、感謝の意を伝えた。
そして、家令のもたらした知らせを確認する。]
西へ向かっているとなると──王府軍の船団だな。
長老殿のことだ、港の船はすぐ使えるようになっていると思うが、今からで追いつけるかどうか。
とりあえず、港へ行ってみよう。
ああ、その前に。
貴卿が庇護を買って出た古い民の負傷者が、このオプティモの救護所に収容されている。
そこで手厚い看護を受けているが、部族の者は心配していよう。伝えてくれると助かる。
ウェントス族の族長の長子・ルディだ。
[ソマリとルディの仲は知らないまま、再びその絆を結びつけたのだった。**]