[ヤコブが…弟の様に可愛がっていた四つ下の幼馴染が、人狼。
ヨアヒムと比べれば、物静かだ。随分抜けている面は可愛げだと思っていた。
そうして子供の頃から共にいるから。
そして、成長を止めた自分を前にしても、ほぼまったく変わらぬ態度で接していたから。
彼が時折、本当は何処かで垣間見せていたのかも知れない、違和感に気付く事もなく今日まで。
ヨアヒムは……。
お互いに絶対に信じると断言しあっていた幼馴染である彼は。
ヤコブに"裏切られた"今、どんな表情をしているのだろうか。そうそっと視線をヤコブからヨアヒムへと逸らしていた**]