[手袋をしていない右手を引いてくれた彼の、大きく男の人らしい手の、 ぬくもりの残る掌に唇を寄せて。そっと、小さなくちづけを落として、希う。] ロウ、どうか――…。[ル・ウルタールに伝わる、大切な人の無事を願うおまじない。どうか、貴方が人狼でも危険種でもありませんように。無事に生きのびてくれますように、と。]