[傍らのアケルは、初めて見える北島の貴族に対する警戒を拭えていない。やや半眼になった目からは、それがはきと伺えるだろう。けれど、彼自身も感じている変化、流れの中で決めたという『覚悟』という言葉に、僅かながら興味をひかれたようだった] ……うん、覚えてる。[動こう、と思った切欠のひとつ。貴族と呼ばれる存在への概念に変化を与えたそれを忘れた事はなく。続けて告げられた向かう先、共に歩むという存在。それが何かは、問うまでもなくわかるから。零れた息には、少なからぬ安堵が込められていた]